電気泳動学会により血清蛋白質分画定量法の標準操作法が発表されたのは1965年であり、既に30年を経過している。セパラックス膜もここ数年以内には製造中止となる。電気浸透現象のない膜が圧倒的に多くの施設で使用されている今日、その膜に適正な標準操作法を提示する時期にきている。自動化された電気泳動装置にも膜のサイズ、緩衝液、泳動条件、染色法などの標準的指針が必要である。現在標準操作法として記述されている事項のうち、分画別抽出法は時代にそぐわない。膜の長さは6?pと規定してよく、緩衝液のイオン強度はモル濃度として表現すべきであり、膜の緩衝化時間や緩衝液の交換時期も明示すべきであろう。血清の塗布量、塗布位置、通電条件や泳動距離の指定など新しい標準操作法設定に向かって漸く一歩を踏み出した。